研究者紹介

福田綾  氏 名 福田 綾(ふくだ あや)
 所 属 医学医療系
 研究分野 薬理学
 課題名 c-fos遺伝子の新規コアクチベーターと転写調節機構の解析
 研究室 http://www.md.tsukuba.ac.jp/basic-med/biochem/gene/research/research_03.html

私たちが有する遺伝子は2万個以上にも及ぶと言われていますが、これらの発現は巧妙に制御され、発生、分化あるいは外界刺激などにより様々に変化します。多くの場合、遺伝子発現の調節は転写段階で行われ、これまでの研究により遺伝子発現を調節するシス因子(エンハンサー、プロモーター)やトランス因子(転写因子、共役因子)が多数同定されてきました。しかし、これらの因子がどのように RNA ポリメラーゼの機能を調節し、転写を制御するのかについてはまだ不明な点が多く残されています。当研究グループでは、RNA ポリメラーゼ II による遺伝子の転写調節機構を分子レベルで解明することを目的として研究を行っています。 解析には、組換えタンパク質や細胞から精製したタンパク質を用いて試験管内で再構成した転写システムを主に使用し、これまでに c-fos 遺伝子プロモーターからの転写を促進する複数の新規コアクチベーター様分子を同定しました。現在は同定したコアクチベーター様分子の機能を解析するとともに、転写活性化のメカニズムについても調べています。また、近年注目されているヒストン修飾(アセチル化、メチル化、リン酸化など)と遺伝子発現との関連についても、試験管内で再構成したクロマチンを鋳型に用いて転写システムを構築し、解析を行っています。

      福田fig.