研究者紹介

鈴木裕之  氏 名 鈴木 裕之(すずき ひろゆき)
 所 属 医学医療系
 研究分野 分子病理学
 課題名 Tsc-22ファミリータンパク質による細胞増殖制御機構
 研究室 http://www.md.tsukuba.ac.jp/epatho/

幹細胞システムは、恒常的な組織構築や損傷からの再生に重要な役割を果たしています。組織幹細胞は多系統の分化細胞を生み出すと共に、幹細胞自身をつくりだす自己複製能を持つことが知られています。また胚性幹細胞(ES細胞)は受精卵の胚盤胞より樹立される増殖、未分化性の高い細胞で、ES細胞からの外、中、内胚葉細胞への分化誘導は、再生医療の中心的役割を果たすものと考えられています。近年、がん組織もまた正常幹細胞システムに似た階層構造を持つという、”がん幹細胞”という概念が提唱されています。がん幹細胞は組織幹細胞にがん遺伝子やがん抑制遺伝子の変異が蓄積することにより生じ、がん根治のための本質的な標的であると考えられていますが、その発生機構、存在部位そして維持機構について不明な点が多く存在します。本研究では、幹細胞の制御に重要な転写因子であるc-Mycとその新規制御タンパク質Tsc-22の解析、及びシグナル伝達系(TGF-b、Wntシグナル経路、低分子量Gタンパク質)の解析を通じて、幹細胞及びがん幹細胞の制御機構の解明を目指します。

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